I was only joking訳したりとか

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2015年 Best Culture 20 16:21
2015年の振り返りを込めてのベストカルチャー。
とりあえず、いきなり個人的な話だけど自分のバンドとイベントが始動できたことがなによりです。ここにあげたカルチャーから影響を受けたのか受けてないのか、よくわからないけど2016年も続けていくことが目標。
1月10日に早速Exercise Twoやります→
ll-e-ss.tumblr.com



Video作れたことも嬉しかった。助けてくれた人たちに感謝を。
意志の強さを感じる作品に惹かれるのはいつものことだけど、というか多分当たり前だけど、その意志が無根拠なものであるほど力強いものになるなと思ったのが2015年。理由があるひとほど強いのではなく、理由がないひとほど強い。そんな時代の匂い。感じているような。
カウントダウンで20いきます。



20.Jacob Kirkgarrd『5 Pieces』

デンマーク出身のアーティストJacob Kirkgarrd、Posh Isolationからのリリース。
カセット3セットに三半規管が描かれたジャケット、この形式がとりあえずかっこいい。その内容はハドソン川の水面化で録音されたもの、ベルリンのスタジオで8つのヘッドフォンスピーカーをつなげでフィードバックノイズを操ったものなど、2006〜2014年の間に世界各地でレコーディングされたアンビエントノイズ。水の音や風の音、やかんの沸騰する音なども利用しながら安心と興奮の両方を喚起させる。実験精神を貫く美意識に惚れる。惚れた。



19.Kindness(渋谷クアトロ3月26日)

完成度の高い楽曲をアレンジして、ダンスナンバーとしての気持ちよさをよりアップデートさせる演奏。何度も色違いのジャケットを着替えるハンサム男Adam Bainbridgeをはじめとするバンドメンバーの高度なファッション性(黒人ギタリストの学生服にハットというファッションはダントツで今年度ベストファッション!)。二人の女性コーラスとAdamが絡み付くダンスや、名曲「House」の後半でステージに下りて披露したアカペラコーラスに見られるショーマンシップ。その全てをつなぐ優しさや親密さがKindnessの本質だと思った夜。名前通りのKindnessかよ。



18.グザヴィエ・ドラン監督『MOMMY』

カナダのヤンキー映画。ヤンキーが父性ではなく母性と強いつながりを求めようとするのは日本だけの話じゃないらしい。映画を観ることが自分以外の人生を生きることってのがよくわかる映画らしい映画。詳しくはこちら→http://tachesong.jugem.jp/?eid=66



17.ドミトリイ・バーキン『出身国』

ウクライナ出身のロシア語作家が1996年に発表した唯一の短編集。トラックドライバーを本職としてほとんど作品を発表せず、公に姿をさらさない謎多き作家だが、なにより謎に満ちているのは作品自体。寒々しさと妄想で彩られた世界のなか、大きな角度でストーリーがねじ曲げられ、読者は現在地を見失う。それでも読み進めてたどり着くのはみじめな諦め。この作品集を読んでも、得られるものはない。それでも何度も本を広げる。そもそも得られるものなど、この世界にはなにもないことを知りながら。



16.Oneothrix Point Onever/Point of Delete

ブルックリンを拠点に活動するダニエル・ロバティンのソロプロジェクト、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー。エクスペリメンタルな電子音楽の中でもここ数年最も注目されているアーティスト。インタビューで彼はソング、歌を作ることに今回挑戦したと語っていた。その結実をここでしっかりと聴くことが出来る。変調を施した女性の歌声も、電子音が奏でるメロディも、強烈なリズムの咆哮も、耳にしっかり残る。この感じはまぎれもなくソング。そして、この耳への残り方は初期ゲーム音楽の耳への残り方を参照したもの。ゲームにふける引きこもりの少年が部屋から飛び出す瞬間は、ちっぽけだがとてつもなく尊い。チープさに宿るソウル。ベッドルームとシティの乖離を埋める為のサウンドトラック。



15.ベッド&メイキングス『墓場女子高生』

女性役者陣の演技が良かった。aiko並みのキラキラとヒリヒリの両立。
合唱部の女子高生たちが、その一員の死をめぐって想いを交錯させる。それを幽霊となった当の女子高生が見守る。だが、幽霊は自分の想いを語らない。
舞台で、死んだ人間の気持ちを描いてはいけない。死を想像力から切り離すことをしてはいけない。『墓場女子高生』は死後の世界を描きながら、肝心のところは観客の想像力に任せる。そのバランスが大事。



14.Jessica Pratt『On Your Own Love Again』

夕方や真夜中の憂鬱を癒してくれる、ギターと声だけで奏でる幽玄。ロサンジェルスの女性が1人で作り上げる音楽は、シンプルながらもどこか都会的、さらには呪術的。呪い殺されても構わない。アリエル・ピンクを通過した、現代のジョニ・ミッチェル。



13.深田晃司監督『さようなら』

平田オリザ原作のロボット演劇を、教え子でもあった深田晃司が映画化。とりあえず、光の在り方がちがう。平田オリザという強烈な個性を引き継ぎ、超えるための光がこの映画には満ちあふれている。父を超えていく意志が結果、残酷に全てを許す光になり、その光が全ての痛みを照らし出す。見捨てられることと見守ることを照らし出す。



12.Iceage(原宿アストロホール、12月22日)

コペンハーゲンの天使たち。4年前に観たときもかっこよかったけど、本当に理想のバンドになってしまわれた。エリアスは誰もが嫉妬するような輝きを放ちながら、どこまでも冷たい眼でぼくらを魅せた。前観たときはエリアスだけがものすごい輝きを放っていたけど、今回は4人全員が輝いていた。理想のバンドになってしまわれた。



11.田上豊『Mother-river Homing』

劇団田上パルを主催する田上豊が作・演出をした昭和の家族劇。
キラリふじみ、という埼玉県富士見市の少し辺鄙な劇場で初演から何度も上演されている。この劇場は演劇が市民と寄り添えることを目指していると思うが、市民のための演劇として『Mother-river Homing』は強い機能を発揮している。家族と記憶という誰もが逃れられないテーマであること、一般的な家庭が舞台になっていること、会場をひとつとするような笑いが何度も起きること。優れた演劇は強い芸術性を持つが、それが限られた人間だけのものではないことを実感させてくれる、そもそも市民に近いところにあるものだ認識させてくれる、そんな舞台。「これはわたしの演劇だ」と見た人だれもが思ったに違いない。いや、違うかもしれないけど、様々な異なる人間の琴線に触れる普遍性があることに変わりはない。
ちなみにキラリふじみは劇場自体がすごくきれいな劇場で、こんな施設があったら市民として誇りに感じられるだろうなと思いました。ちょっとうらやましい。



10.ほりぶん『得て』

この『得て』の公演、開演時間を間違えて30分遅れて観た。なのでベストにいれちゃいけないのだろうけど。それでも遅れて観たものが強烈だったのでいれちゃった。
死んだバイト先の女友達が残したビデオメッセージを3人の女性が観る、そのせいでとんだもなくひどい目に遭う、というストーリー。それだけ聞くとホラーめいているけど、実際の舞台は笑いの渦。死んだ女友達を演じる川上友里さんがとにかく天才、顔芸一発でも言葉の乗せ方だけでも会場の雰囲気をつくってしまう。役者全員が、言葉がききとれないほどわめきちらす演出は笑いとカオスを同時に描きだす。痛快で爽快なのに、後味が悪い。この感覚は新しい。次の公演早く観たい。全部観れなかったし。くそ。



9.青年団『南へ』

平田オリザは本当に同じメッセージしか発しないというのは『変身』を観たときにも書いたけど(→http://tachesong.jugem.jp/?eid=67)『南へ』も同様。やはり人種差別と貧困と戦争の影がつきまとっている。『南へ』はありふれた、だが白々しいコミュニケーションのなかから切実なテーマが少しずつさりげなく明示されていく。そのさりげなさの重ね方が魅力的。船という舞台設定が逃げるための手段であり、同時に逃げられない牢獄であるという両義性も作品の深みにつながっていく。
それにしても、20年以上前の作品が今でも根深いリアリティを持って上演されるというのはなんなのか。優れた作品だから、というのはもちろんそうだけど、日本の沈没が20年前から始まっていて今でもゆるやかに予定通りに続いているという証明じゃないのか。とりあえず、諦めながら諦めずに文化を作り続けるしかない訳だけど。



8.ままごと『わが星』

言語と音楽の衝突を一番利用できていた藝術作品。初演は5年前の作品だけどそのとき観てたら年間ベストだった。家族のストーリーと一つの星の誕生を重ね合わせるという物語は舞台装置に過ぎない。とまでは言えないけど、この劇の魅力は音楽と言葉がどう有機的に結びついていくか、そのことがどれだけ人の心を動かすのか、ということに尽きると思うのです。



7.Kendric Lamar『To Pimp A Butterfly』

ヒップホップ、および米国ポップミュージックの中心点、ロサンジェルス、コンプトン出身のケンドリック・ラマー。新作『To Pimp A Butterfly』は一つの詩をモチーフに曲をつなぎ、最後は今は亡き(だが生存説がたびたび浮上する)伝説のラッパー2パックとの(疑似)対談で終わる。ファレル・ウィリアムズにフライングロータスにロバート・グラスパー。現代黒人音楽の叡智を集めて、黒人性を真摯に突き止める。誇大妄想的な構想を妄想で終わらせないのは、ラマーが今まで築き上げたキャリアと卓説した技術が為せる術。英詩と日本語訳を合わせながら、一度アルバムを聴いてみてほしい。ラップスキルの高さがよーくわかるから。



6.Synd Og Skam『Billeder Af Mesa』

Iceageを輩出したことで知られるデンマークのレーベルEschoから出された未来の音楽、Synd Og Skam。ピアノの響きの美麗さと歌とラップの猥雑さは混じり合い、結果生まれるのは高潔さ。ポストロック的な精密なサウンド作りなのに野性の匂いがぷんぷん漂ってくる。白人的な匂いの強いコペンハーゲンの音楽シーンにおいて黒人メンバーがいる点でも異彩。
比べるべき音楽が見つからない孤高。比べられるのは未来の音楽だけ。この先より存在感を増していく存在。



5.橋口良輔監督『恋人たち』

なんの解決もないけど、この世界に救いはある。なぜなら、時が流れるから。
その時の流れを、この映画は巧みに描いてみせる。登場人物たちが絶望から少しずつ顔を光へのぞかせる姿が、リアリティを伴って立ち現れる。愛を失った男からは涙が流れ、丘に立つ主婦からは尿が流れ、電話を切られた同性愛者の独り言が劇場で流れる。そして、川の流れのように生きられたらなと思う。



4.ジャン=リュック・ゴダール監督『さらば、愛の言葉よ』

出た!本当に3Dでみないと意味を為さない映画!しかもゴダール!
右のカメラが転回して、3Dの左右に映像がズレる。2つの世界がズレては重なることの新鮮な驚き。3Dで立体性ではなく映像のズレを表現するという前衛的手法を最初に用いたのが80を過ぎたおじいちゃんだった、ということは全映画作家が反省していい事実なのではないでしょうか。
ともあれ、ゴダールは異なるイメージを重ねるという映画言語を駆使して作品を作り続けた作家なので、この3D利用は必然とも言える。むしろこんなあからさまなゴダール映画はないのかも。あからさますぎる種明かし、という意味での「さよなら言葉」?
それはともかく、映画の誕生にオマージュを捧げたシーンでそれを観ているのが犬であるという皮肉なパッションにやられました。ゴダール現時点最高傑作。



3.Noda-Map『エッグ』

さすが野田秀樹、ということなのでしょうか。「エッグ」という架空のスポーツの世界大会という無茶な設定が第二次世界大戦の人体実験にまでつながっていく。そのつなぎ目はとてもきれいで、ほれぼれする。当代随一の職人が作り上げた最高級のテーラードスーツのような趣き。切実な人生への洞察を求めて集まった人も、妻夫木聡や深津絵里など有名俳優が魅せるエンターテイメントを期待して集まった人も、全く裏切らない懐の広さにベテランのすごみを感じる。
開演後、池袋藝術劇場の1階のカフェで見かけた野田秀樹さんは若手スタッフ・俳優陣とみられる人たちと一緒に淡々と飯を食べていました。



2.Christian Scott(10月7日、ブルーノート東京)

ラテンの要素も入ったダンサブルなジャズ。情熱的だけどクール。クリスチャン・スコットが音を鳴らす前にトランペットを構えマイクの先をにらむ姿が狙いを付けた狩人のようで、震えた。若いバンドメンバーたちは楽器を持って戦う戦士だった。クリフォード・ブラウンを生で聴くことができなかったことを嘆く前にクリスチャン・スコットを観ればいい。同時期に同じ場所で観たロバート・グラスパーのライブより客は少なかったけど、楽しさも演奏のキレも断然こっち。そして、なにより見た目がかっこいい。濡れる。溢れる。



1.本広克行監督『幕が上がる』

奮い立つ。平田オリザの小説も素晴らしいがこの映画は最高。10代のきみが観たらいい。これはきみの映画だから。なんのノスタルジーもなく、なにかに向かう姿勢をここまで気高く描いた作品に出会ったことがとにかく心強い、嬉しい。60代のあなたも観たらいい。大いなる諦めの映画だから。全てを諦めて、自分の役目を担うことだけがぼくらのできること。そして、勝つこと。
ももいろクローバーZを配役したのも完璧。役中の少女たちが演劇への向かい方がももクロのアイドルへの向かい方がシンクロしているから。ももクロにほとんど興味のないぼくでも最高だと思ったんだから、たぶんほんとに最高なんだよ。




コペンハーゲンの音楽シーンと平田オリザがどれだけ好きなんだよ、という感じになったけど、映画がこんなにたくさんになったのは驚き。映画は苦手なメディアと思っていただけに。今年は今までで一番本をたくさん読んだ年だけど、全然入ってこなかったな。ちなみに今年後半にKindle買ってから本持ち歩くのめんどすぎてやばい。
来年は演劇をもっと観るのと新しいジャズを聴くのと新しい文学作品に触れたい。このブログももうちょっと更新したい。とかいってるけど来年は仕事とかなにもかも忙しく
なりそうなのでどうなることやら。ほんとは部屋を常にきれいにするのが目標です。
2016年もよろしくお願いします。

以下各分野ごとのベスト

文学・書物ベスト5
1.ドミトリー・バーキン『出身国』
2.大岡淳(編著)『21世紀のマダムエドワルダ バタイユの現代性をめぐる6つの対話』
3.橋本治『負けない力』
4.中室牧子『学力の経済学』
5.東山彰良『流』

映画ベスト10
1.幕が上がる
2.さらば、愛の言葉
3.恋人たち
4.さようなら
5.MOMMY
6.インヒアレント・ヴァイス
7.アメリカンスナイパー
8.キングスマン
9.野火
10.はじまりのうた

演劇ベスト10
1.エッグ
2.わが星
3.南へ
4.得て
5.Mother-River Homing
6.墓場女子高生
7.変身
8.飛ぶひと
9.バートルビーズ
10.汗と涙の結晶を破壊

ライヴベスト5
1.Chrsitian Scott(ブルーノート東京、10月7日)
2.Iceage(原宿アストロホール、12月22日)
3.Kindness(渋谷クアトロ、3月26日)
4.Damien Dubrovnik(Berserk Town 2,Los Angeles 8月16日)
5.One OK Rock(さいたまスーパーアリーナ、7月11日)

アルバムベスト20
1.Synd Og Skam/Billeder Af Mesa
2.Kendric Lamar/To Pimp A Butterfly
3.Jessica Pratt/On Your Own Love Again
4.Oneothrix Point Never/Point of Delete
5.Jacob Kirkgaard/5Pieces 
6.Anasazi/Nasty Witch Rock
7.Courtney Barnett/Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit
8.Girl Band/Holding Hands With Jamie
9.Marchstepper/A New Sacrament Of Penance
10.FFS/FFS
11.Sufjan Stevens/Carrie & Lowell
12.American Wrestlers/American Wrestlers
13.Communions/Communions EP
14.Cero/Obscure Ride
15.Julia Holter/Have You In My Wilderness
16.Deerhunter/Fading Frontier
17.Royal Headache/High
18.Nao/Feburary 15 EP
19.Roth Bart Baron/Atom
20.Nedelle Torrisi/Advice From Paradise

 
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