Steve Lehman OctetのMise En Abîme、すごくいいです |
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兎にも角にもSteve Lehman OctetのMise En Abîmeがかっこいいので聴いてほしいというそれだけなんですが。
ニューヨークブルックリンで活動しているアルトサックス奏者Steve Lehman。8人組でのアルバムは2009年に発表された『
Travail, Transformation and Flow』に次いで二枚目となるこれ。
ジャズってだいたいゆったり聴かないとわからないから視聴機で聴いて買うことって滅多にないんだけど、アルトのソロに次いでバンドが入ってきた瞬間に「これはヤバヤバいのではないか・・・」と思い即購入。思い違いだったら嫌だななんて思いながら家で聴いたら最高すぎてここ数日何度もリピートしてる。
フリージャズを彷彿とさせるようなカオスがあるのに余剰感がない。ひたすたクール。だけど熱はある。COOLがHOTになってる。
編成的に特徴的なのはピアノがいないこと、その代わりにヴィブラフォン奏者がいることで、このヴィブラフォンの音にガムランのようなどこか東洋的な響きがあって、曲になんともいえない浮遊感を与えている。
複雑なリズムだし不穏なコード感も簡単には出せなそうだし知的水準はかなり高そうなんだけど、インテリ臭さがなくてそれ以上んに獰猛な勢いが伝わってくる。
聴いてて特に思うのは10代くらいの若い男の子、満たされない思いを抱えながらLowerやCloud Nothingsを聴いてる若い子に聴いてほしいなってこと。リズムのむちゃくちゃな勢いと全体に漲る緊張感は世界との軋轢に耳や心を尖らせている若者に一番ぴったりくると思うから。ここからマイルスの名盤中の名盤『Nefertiti』の冷たいカオスや、後期Duke Elingtonのエキゾ感にジャンプできると思うけど、そういうのは後回しにして兎に角自分の部屋や友達の部屋やクラブでかけて踊り狂ってほしいよ。Stranger Than Paradiseの主人公のようなイメージで。
本人のHPから視聴できます→http://www.stevelehman.com/music
これレコードで出ないのかな。