I was only joking訳したりとか

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(今さら☆)Iceage/New Brigade 23:27


 ライヴも見たことだし、Iceageのアルバムについて書きますン〜。ちょっとタイミング遅いですが。


「交わる平行線/後ろへ落ちて行きたくない/立ち向かうにはあまりにひどすぎ/空っぽの穴へ駆け下りない限り/
新しい旅団/決して消えない/増えてまた増えて/決して終わらない/
それは僕の中に/君の中に/僕と君の中に」-New Brigade


 昨年、Iceageは世に星の数ほどいるであろうハードコアバンドの中で頭ひとつ飛び出しました。
彼らのサウンドの特徴としてまず挙げられるのは耳につく、つんざくような鋭いギターの音です。
Minor ThreatやBlack flag,Dischargeなど、ハードコアの雛形を作ったバンドが分厚いディストーションギターを鳴らしていたのに対して、彼らはシングルコイル特有のジャギジャギ感を前面に出したギターを響かせます(ライヴを見たところ、ヴォーカルのギターがそうした特徴的な音を出していました。もうひとりのギターの音は、ぶっちゃけショボかった)。ジャギジャギすぎて音程が特定できないほどです。
さらにIan Curtisを彷彿とさせる、バリトンヴォイスを激しく放出するヴォーカルも特徴的です。


「僕は知っている/君に与えられたものすべてが消え去るのを/肌の下に花を感じるはずさ/それを怯えさせない限りは/
自分自身を保つ/この長く神聖な光の中で/
自分自身を保つ」-Remember


 しかし、彼らはMinor ThreatともJoy Divisionとも違うソングライティングのセンスを磨いたようです。1曲を通して一定の激しいリズムを貫く初期ハードコアや、ミニマリズムを活かすJoy Divisionに対して、Iceageはリズムを変化させていくことを念頭に置いたソングライティングを見せます。そのライティングは転がすようにタムを叩きつける3連譜のリズムから直線的な8ビートに変わるRememberを聴けば明らかです。ちなみに、リズムが変わる瞬間に明らかにテンポが寄れるのは御愛嬌というか、これを面白いと思うかが好き・嫌いのわかれどころかもしれませんね。
その他の曲でも8ビートや高速2ビートを基調としながら、ハイハットの裏打ちや3連のリズムなどの多彩なリズムを、スネアやオープンハイハットを抜いた静の部分を混ぜることで無理なく1曲の中に取り込みます。


「僕の力/手を広げて/だけど感情は崩れ/反応できない
崩壊を築く/波打つ大地に叩きつける/街を襲う/ゴミだけが残る
手を掲げて/煉瓦を積み上げる/だけど感情は崩れ/反応できない
耐え忍んでいる 」-Collapse


 ギターが音程を特定できないところが多いということを先ほど述べましたが、彼らはドレミの音階の外側までメロディを探しているように思えます。それは半音ずつ下がっていく「Broken bone」のコーラス部分のコード進行に対してポップな歌を載せるところにも明らか。その結果、「White rune」「Rotten heights」のような不穏な曲にも、「Remember」「You're blessed」のようなポップな印象の曲にも引っかかるフックが生じます。
音階の外にもメロディを探していくゆえに、彼らの曲はリズム楽器とメロディ楽器の区別が曖昧です。その点は砂原義徳の『Liminal』において、音ともメロディとも取れないノイズ音を効果的に用いていることや、Death gripsが昨年のフリーアルバムで、ヒップホップ的低音以上に高音の倍音にまみれたエフェクト音で曲を覆ったこととリンクします。同時代の他地域他ジャンルの音楽と比較できることは彼らの根の強さを物語っているようです。


「彼女の大地を越えて/僕らは留まる/肉の赤いかがやき/僕を縛りつけろ
/僕らは溺れる/骨の髄まで/
腐った高みを引きずり落とす」-Rotten Heights


 ヴォーカルに深くリヴァーヴがかけられているのも特徴のひとつです。この残響の遠さは、ハードコアの共同体的でマッチョな性質からの距離を思わせます。しかし、ただ孤独に沈む類のものでもないようです。それは「New Brigade」の歌詞のように、決して交わらない平行線が交わった瞬間、隔離されたはずの孤独がぶつかる聖なる瞬間のために鳴らされています。それゆえか、2月8日の来日ライヴでは、激しくモッシュする人々と、一人でじっくり見る人々がどちらも浮くことなく存在していました。最後の曲のあと、ヴォーカルの少年は目の前の観客の目を見ながら笑顔で強く握手していました。
孤独が解消するあり得ない瞬間を欲望するからか、彼らの音楽にはロマンスの香りすら漂います。Jesus and mary chainやThe libertinesのように、彼らの音楽は荒々しさの中にある種フェミニンともいえるロマンティシズムを宿しています。内面を外の風景のように描写する歌詞に目を向けてみてほしい。彼らは孤立や荒涼の暴力を外に配置することで、ある種の共有を呼び掛けているようです。それは大勢でわかつことのない、親密でもしかしたら不器用な交流です。
なんというか、まるでこっそり大事なことを耳打ちしようとしてドデカい声を出してしまった男の子みたいな存在?とりあえず、前に進みたい少年たちは耳元でデカい音を聞かされたことに半ギレしながら、Iceageに合わせて意識を躍らせればいいのです。


「君が僕をずっと捕まえておくことができるなら/僕は家にはいないよ決して/
恐怖と唾液の海に漂っているけど/弱く、傷つき、ふさぎこんだままではいない」-You're blessed


| 音楽 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by tachesong - -
【Pitchfork】the Big Pink/Future This 15:26
  ピッチが低評価を与えているときにどんなことを言っているか気になったので、5.2点だったthe Big Pink『Future This』のアルバム評を訳してみました。

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 音速で、2009年にthe Big Pinkのデビュー作は届けられた。『A Brief History of Love』 の分厚いコーラス、ビッグなプロダクション、限界を超えたヴォリュームはラジオで炸裂するように作られていた。サウンドはブリッドポップと似ていなかったが、その用語がいずれにせよ用いられることとなった--the Big PinkはOasis,the Verve,それにMansunのような尊大にふるまうバンドの系譜に属しているように感じられたからだ。しかし、満を持して現れたこれらのバンドは力を持続できなかったし、Big Pinkの発起人Milo Cordellのルーツが,blog-houseとnu-raveがカルチャー的にピークだったころのMerok recordsにあることを考えると、このバンドは自らのポテンシャルの限界に気付かざるを得なかった。続いて届けられた『Future This』で、the Big Pinkは彼らの先人達と同じように、説得力に欠けた同じアイデアのリサイクルという罠にかかってしまった。

 アルバム最初の数分で魅力の減退が明らかになる。「Stay Gold」は以前のヒット曲「Dominos」と露骨に似ているが、歌詞は行きずりのフリーセックスから、夢にひたむきでいつづけることについての説教に変わっている。これは『Future This』全体を通じている一本の困った糸だ。the Big Pinkがかつて魅力的で女たらしの唯我独尊を発揮していたのに対し、ここではオーディエンスの繋がりを積極的に追及しようとすることで居心地の悪い貧困さが現れてしまっている。その結果が「Jump Music」のような、明確なメッセージを待たないくせに無様にもメッセージソングらしく振舞おうとする悪い意味でのキラートラック達である。

 the Big Pink はデビュー作との関連性を排除して、歌詞的に大きく異なったこの二つのレコードがまるで一つのコンセプトに基づいて作られたかのように見せることで、一つの神話体系を作り出そうとしている。また、彼らはthe Stone Rosesの「I Wanna Be Adored」を参照しているが、そのことが偉大なデビューのあとの対応を間違えて完膚なきまでに敗北した、かのバンドとの近似性をはっきりさせている。そして、そのあとの「Hit the Ground(Superman)」は「Stay Gold」と同じくらいイカサマくさい全くの駄曲で、ブレイクにLaurie Andersonの「O Superman」のサンプルを持ち込むことで、Max Martin風の尊大さとともに『Future This』の致命的な欠点を示している。外からのソース--あからさまなサンプル、プレハブのスローガン、さらには彼ら自身の音楽からの借用--に頼らなければ成り立たないという欠乏感を。以前は怖いもの知らずに音を鳴らしていたthe Big Pinkだが、サウンドを知的に合理化しようとしたことで『Future This』を臆病で栄養失調なものに
変えてしまっている。

 そんなすべての欠点にもかかわらず、優しげな「77」は驚くべき締めくくりである。中毒と喪失について触れながら、リードシンガーRobbie Furzeは歌う。「君はこんなにも大きな印象を僕に残した/デブリの上に残した/今僕は全てがめちゃくちゃ/時々君がいないことすら忘れてしまう」詩的とはお世辞にも言えないが、恋人に一人にしてほしいと語りかける現時点で最も無防備なこの曲がバンドの紛れもない心情だろう。これはthe Big Pinkが人間性を持つようになるための不器用なスタートだ、まだスタートでしかないが。 -Ian Cohen

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原文はこちら

Sonically, the  Big Pink's 2009 debut delivered. A Brief History of Love's titanic choruses, huge production, and maxed-out volume were designed to explode on the radio. Though they didn't sound like Britpop, the term was applied anyway because the Big Pink seemed in the swaggering lineage of bands like Oasis, the Verve, and Mansun. But bands who emerge so fully formed sometimes lack staying power and, considering Big Pink co-founder Milo Cordell's roots running Merok Records during the cultural peak of blog-house and nu-rave, the band had to be aware of their potential limitations. The follow-up, Future This, finds the Big Pink as boxed in as their predecessors, recycling the same ideas with less conviction.

The drop-off is clear in the album's first few seconds: "Stay Gold" bears blatant similarity to their previous hit "Dominos" but shifts the lyrical focus from consequence-free sex to homilies about staying true to your dreams. It's a troubling thread that runs throughout Future This: where the Big Pink once mastered the role of magnetic, womanizing loners, here their tilt towards positivity and pursuit of a connection with their audience comes off as uncomfortably needy. This results in ill-defined salvos like "Jump Music" that awkwardly try to position themselves as message songs despite having no discernable message.

The Big Pink try to build a mythology by dropping references from their debut into new songs, as if the two lyrically divergent records were of a conceptual piece. They also toss in a reference to the Stone Roses' "I Wanna Be Adored", establishing kinship with another band that was ultimately sunk by not knowing how to follow up a huge debut. And later, "Hit the Ground (Superman)" is every bit as gimmicky as "Stay Gold", incorporating a sample of Laurie Anderson's "O Superman" into its halting, Max Martin-like strut and illustrating the fatal flaw of Future This: their need to siphon the power of outside sources-- obvious samples, prefab slogans, even their borrowings from their own music. Where the Big Pink previously sounded invincible, nearly every attempt to intellectualize or streamline their sound makes Future This come off as timid and malnourished.

All of which makes the tender "77" a surprising closer. Touching on addiction and loss, lead singer Robbie Furze sings, "You left such an impression on me/ Left on the debris/ Now I'm all fucked up/ And sometimes I forget I miss you." It isn't exactly poetry, but it does feel unmistakably personal for a band whose most vulnerable song to this point told a lover to leave them alone. It's an awkward start to humanizing the Big Pink, but a start nonetheless. -Ian Cohen

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 今回の文は納得できるところが多かったですね。「Stay Gold」は最初聴いたときは「いいじゃん」と思ったんですけど歌詞見てから聴くと微妙な印象を抱いてしまいました。メロディが輝く瞬間はあるんですけどね。
また気が向いたら訳します。

| pitchfork 日本語訳 | comments(3) | trackbacks(0) | posted by tachesong - -
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