90年代初頭のインディロックーたとえばDinasour.JR,Pavement,Teenage Funclub,Yo la tengoーからの影響をまったく隠さないこのバンドは、それと同時に他のバンドたちから超越したところに存在しているように感じます。濁りのない非常に透明な存在。そうした意味で、YUCKの音楽からはスーパーカーの『スリーアウトチェンジ』というアルバムを想起します。 『スリーアウトチェンジ』もJesus and Mary Chainを筆頭に他のバンドからの影響を隠さなかったにもかかわらず、超越した世界を持った、オリジナルな魅力を放つ作品でした。この2作品の透明さには、胸のうずきや心の揺らぎをありのままに受け入れたままで、それでも素敵な物語を描こうとしている人間の心を軽くしてくれる。そんな作用がある気がします。それゆえに、この2作品は胸のうずきや心の揺らぎに満ちた10代の人々の心に強く響くのでしょう。Billy Corganが「1979」の中で描いた、「千の罪の国に引き寄せられる」10代の心に。